ABSTRACT 1100(P4-4)
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大腸腫瘍ホルマリン固定パラフィン包埋検体におけるCGH法を用いた遺伝子解析の検討:冨田茂樹1、井村穣二2、藤田幹夫1、上田善彦1、藤盛孝博11獨協医大・医・第二病理、2栃木がんセ・研究検査)

Genetic analysis of formalin-fixed,paraffin-embedded colorectaltumors by Comparative Genomic Hybridization:Shigeki TOMITA1,Joji IMURA2,Mikio FUJITA1,YoshihikoUEDA1,Takahiro Fujimori1(1Dept.of Pathology.Dokkyo Univ.Sch.Med,2Dept. of Clin. Res. and Lab, Tochigi Cancer Ctr)

【目的】今日、大腸腫瘍の発生・進展に関与するすべての遺伝子異常が解明されたわけではない。そこで、我々は第56回総会で大腸腫瘍における、未知の遺伝子異常をComparative Genomic Hybridization法(CGH法)で新鮮材料を用いて検討し、その存在を示唆したが、より多くの臨床病理学的因子との関連を明らかにするためにはホルマリン固定パラフィン包埋検体での解析が必要と考え、その可能性について検討した。
【材料・方法】22例の大腸癌ホルマリン固定パラフィン包埋標本から腫瘍部をmicrodisectionしProtenaceK連続三日投与後にDNAを抽出した。抽出DNAをDegenerate oligo-
nucleotid preimed-PCR法(DOP-PCR法)にて増幅後にNickTranslation法で直接蛍光標識しCGH法を行った。
【結果】ProtenaceKにより抽出された高分子DNAはDOP -PCR法で増幅されることにより新鮮材料でえられた、腫瘍DNAの増加( #1,#2,#8,#11,#15)、減少(#5,#6,#7,#9,#15,#18,#19)と同様な異常が確認された。このことは膨大に蓄積されている病理検体でのCGH法による解析が可能であることを示しており、更なる検討を行い新しい大腸腫瘍の発生・進展関与遺伝子について言及する。