ABSTRACT 1101(P4-4)
卵巣癌の化学療法抵抗性に関わる遺伝子変化の解析;高野政志1、工藤一弥1、越川知之2、山本謙二1、真野佳典1、喜多恒和1、平田純子1、菊池義公1、永田一郎1、三輪正直2、内田和彦2(1防衛医大・産婦、2筑波大・基礎・生化)
Genetic alteration concerning resistanse of chemotherapy in ovarian cancer; 1Masashi TAKANO, 1Kazuya KUDO, 2Tomoyuki KOSHIKAWA, 1Kenji YAMAMOTO, 1Yoshihiro MANO, 1Tsunekazu KITA, 1Junko HIRATA, 1Yoshihiro KIKUCHI, 1Ichiro NAGATA, 2Masanao MIWA, 2Kazuhiko UCHIDA(1Dept. of Ob. & Gyn., Natl. Defence Med. Coll. and 2Dept. of Biochem., Tsukuba Univ. Sch. of Med.)
[目的]卵巣癌は婦人科領域において最も予後不良な疾患であり、化学療法の奏功度が予後を大きく左右する。そこでCDDPを含む化学療法の抵抗性に関与する遺伝子変化を検索した。[方法]当科においてCDDPを含む多剤併用療法に対して高感受性を示した群(CR群、n=16)と、抵抗性を示した群(PD群、n=15)について初回手術時に得られた検体から高分子DNAを抽出し、遺伝子異常をComparative genomic hybridization (CGH) 法を用いて解析した。腫瘍DNAはFITCで、正常女児胎盤由来DNAをrhodamineでラベルし、正常ヒト染色体に対してCGHを行った。FITC/rhodamin比が1.25以上を増幅、0.75以下を欠失とし、χ2検定にて有意差検定を行った。[成績]PD群はCR群よりも多くの遺伝子変化を有する傾向を認めた。PD群は特に1qcen-13、19p13.3-ter領域の遺伝子の増幅および2p13、15q22-25領域の遺伝子の欠失を高頻度(p<0.05)に認めた。[結論]PD群に特異的な遺伝子異常を認めた。これらの領域に薬剤耐性に関する遺伝子の存在が強く示唆された。