ABSTRACT 1162(P4-7)
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粘液性膵嚢胞疾患の生物学的悪性度の検討
小林匡1、恩田昌彦1、内田英二1、柳 健1、松下晃1、山村進1、中村慶春1、相本隆幸1、田尻孝1、内藤善哉2、浅野伍朗2(日本医大・1一外, 2二病理)

Study on characteristics of mucinous cystic tumor of pancreas: Tadashi KOBAYASHI1、Masahiko ONDA1、Eiji UCHIDA1、Ken YANAGI1、Akira MATSUSHITA1、Susumu YAMAMURA1、Yoshiharu NAKAMURA1、Takayuki AIMOTO1、Takashi TAJIRI1、Zenya NAITO2、Goro ASANO2、(11st. Dept. Surg., 22nd Dept. Pathology, Nippon . Med. Sch.)

【目的】粘液性膵嚢胞疾患は過形成から癌までの多彩な組織像を呈し、臨床的に良悪性の鑑別診断にも苦慮することが多い。そこで粘液性膵嚢胞疾患の生物学的悪性度について検討した。
【対象と方法】対象は粘液性膵嚢胞疾患15例で、腺腫6例、非浸潤性癌4例、浸潤性癌5例であった。これらにp53モノクロナール抗体を用いた免疫組織染色とAg-NORs染色を行った。
【結果】p53は腺腫では全例陰性で、非浸潤性癌は3例(75%)陽性で、染色強度は10-50%であった。浸潤性癌は5例(100%)陽性で、染色強度は50%以上であった。 Ag-NORs数は腺腫:2.01±0.81、非浸潤性癌:2.35±0.77、浸潤性癌:3.96±0.96であり、腺腫および非浸潤性癌と浸潤性癌との間に有意の差がみられた。
【結語】腺腫および非浸潤性癌は浸潤性癌に比して増殖能が低く、悪性度が低いことが示唆された。