ABSTRACT 1165(P4-7)
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老年者胃癌における性差:加藤保之1、小野田尚佳1、仲田文造2、前田清2、澤田鉄二2、大谷博2、八代正和2、平川弘聖2、曽和融生3(1大阪市大・医・老年研腫瘍分野、2大阪市大・医・1外、3大阪市総合医療セ)

Clinicopathological difference of elder patientswith gastric cancer by gender:Yasuyuki KATO1,Naoyoshi ONODA1,Bunzo NAKATA2,Kiyoshi MAEDA2,Tetsuji SAWADA2,Hiroshi OTANI2,Masakazu YASHIRO2,Kosei HIRAKAWA-Y.S.Chung2,Michio SOWA3(1Dept.of Oncol.,Osaka City Univ.Med.Scl.,21st Dept.of Surg.,Osaka City Univ.Med.Scl.,3Osaka City General Hosp.)

[目的]胃癌は一般的に男性が女性の2倍の罹患率であり、性別、年齢により特徴が見られる。老年者胃癌における性差を明らかにする目的で教室で経験した原発性胃癌切除例につき検討した。[対象および方法]1972年から1997年に大阪市立大学第1外科で経験した胃癌切除例2823例(男性1881例、女性942例)を対象に39歳以下を若年者、40歳から64歳を壮年者、65歳以上を老年者として胃癌取扱い規約第12版に従い、臨床病理学的諸事項につき検討した。[結果]後期で男女ともに老年者の増加がみられた。老年者で腫瘍の占居部位はA領域が多く、女性では加齢とともに増加した。肉眼型では老年者に早期癌が少なく、進行癌が多かった。組織型は女性で低分化型癌が多く、男女とも加齢とともに分化型癌が多くなった。病期進行度は老年者で高度であった。老年者男性に肝転移陽性例が多い傾向がみられ、老年者女性では腹膜播種陽性例が若年者に比して少なかった。老年者では脈管侵襲陽性例が多かった。[まとめ]以上、年齢、性別にみた胃癌の検討から老年者胃癌が増加しており進行癌が多く、早期癌の少ない事実が明かとなった。老年者胃癌の生物学的悪性度の高いことによるとも考えられ、老年者胃癌の存在に留意し、その発見、治療は今後ますます重要になるものと思われた。