ABSTRACT 1170(P4-8)
ヒト非小細胞肺癌組織におけるp27 (Kip1)、cyclin-dependent kinase 2と増殖率の検討 : 川名秀忠1,2、田丸淳一1、張ヶ谷健一1、三方淳男1、平井愛山4、田中知明3、齋藤康3、北川雅敏5、栗山喬之2(1千葉大・一病、2千葉大・呼内、3千葉大・二内、4千葉東金病、5九大・生医研)
Role of p27 and cyclin-dependent kinasse 2 in proliferation of non-small cell lung cancer : Hidetada Kawana1,2, Jun-ichi Tamaru1, Kenichi Harigaya1, Atsuo Mikata1, Aizan Hirai4, Tomoaki Tanaka3, Yasushi Saitou3, Masatoshi Kitagawa5, Takayuki Kuriyama2 (11st. Dept. of Path., 2Dept. of Chest Med., 32nd. Dept. of Int. Med., Chiba Univ., 4Tohgane Hosp., 5Med. Inst. of Bioreg., Kyushu Univ.)
【目的】細胞周期蛋白p27の発現がヒト非小細胞肺癌において重要な予後因子であることが報告されている。その理由として増殖力の違いが予測される。p27とその結合蛋白であるCyclin-dependent kinase 2 (Cdk2)とKi-67抗原の発現(増殖率)をヒト肺癌組織において比較検討する。
【方法】外科切除された非小細胞肺癌組織を用い、免疫染色、Western blot分析によりp27、Cdk2の発現を検索しKi-67抗原の発現と比較した。さらに、Cdk2の活性、p27の分解活性を分析した。
【結果・結論】正常肺組織と肺癌組織でp27とKi-67抗原発現の間には逆相関関係が認められた。肺癌組織ではCdk2活性上昇を認め、Ki-67抗原発現と強い相関が認められた。また、肺癌組織においてp27の分解活性の亢進を認めた。これらの結果よりp27の発現低下とCdk2活性化が腫瘍の増殖に重要な影響を持つことが示唆された。