ABSTRACT 1174(P4-8)
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Con A 刺激による Jurkat 細胞の サイトカイン産生と増殖抑制機構の解析 : 木我真基1,済木育夫2,石塚雅章3,梅澤一夫1,井本正哉1 (1慶大.理工.応化,2富山医薬大.和漢薬研,3化療研)

Cytokine production and growth inhibition induced by Con A in Jurkat cells : Masaki KIGA1 ,Ikuo SAIKI2,Masaaki ISHIZUKA3 , Kazuo UMEZAWA1, Masaya IMOTO1 (1 Dept. Applied Chem., Fac. Sci. Tech., Keio Univ. 2Res.Inst. for Wakan-Yaku., Toyama Med.&Pharm. Univ. 3Inst. for Chemotherapy)

[目的] T 細胞白血病株 Jurkat 細胞は、 Con A 刺激により活性化され、細胞接着能が上昇し、引き続いてG1期停止およびサイトカイン産生を誘導する。我々は以前、G1期停止による増殖抑制がサイクリンD3の減少とp27kip1の発現増加によることを報告した。本研究では、Con A 刺激によって誘導されるG1期停止やサイトカイン産生過程におけるMAP kinase familyや細胞接着の関与の可能性について検討を行った。
[結果] Jurkat 細胞は、Con A刺激により、 IL-2 、IL-3、GM - CSFを産生した。これらのサイトカイン産生は、PD98059 による Erk の活性化阻害や SB203580 によるp38の阻害によってそれぞれ抑制された。この様に Con A によるサイトカイン産生がMAP kinase familyに依存している一方で、G1期停止や細胞接着はErkやp38の阻害剤で全く影響を受けなかった。さらにCon A 刺激によるサイトカイン産生とG1期停止に及ぼす細胞接着の影響について検討した結果、Con A 刺激によって誘導される細胞接着はインテグリン結合ユニットであるCS-1 ペプチドによって阻害されたが、サイトカイン産生やG1期停止はCS-1ペプチドによる影響をうけないことがわかった。
[結論] Jurkat細胞の Con A 刺激によって誘導される細胞接着、G1期停止、MAP kinase familyの活性化はそれぞれ独立して制御されているが、サイトカイン産生は MAP kinase familyによって制御されている。