ポスターセッション

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重症筋無力症過形成胸腺にみられる新規造血因子：加茂功¹、菊池愛子¹、友安浩²　（¹国立精セ、二虎ノ門病院）

Novel haemopoietic factors found in myasthenic thymus associated with hyperplasia: Isao KAMO¹, Aiko KIKUCHI¹, Hiroshi Tomoyasu² (¹National Institute of Neuroscience, NCNP, ²Toranomon Hospital)

「目的」胸腺筋様細胞は胎生期の胸腺リンパ球増生に前後して認められる。また、ヒトの自己免疫疾患重症筋無力症では骨格筋アセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されるが、胸腺摘出で寛解に至ることから、本細胞が病因的に重要視される。ラット胸腺筋様細胞から80 kDa, 100 kDaの新規二造血系細胞分化増殖因子を見出したので、重症筋無力症者胸腺における当該二因子産生の可能性を検討した。「方法と材料」ラット80 kDa, 100 kDa両因子の合成ペプチドに対する抗体。過形成を伴う重症筋無力症胸腺、胸腺腫のパラフィン切片。胸腺の低張液抽出物によるイムノブロット、抗80 kDa, 100 kDa因子抗体結合カラムによる二因子の精製。「結果と考察」ラット80 kDa, 100 kDa　因子に対する抗体で、過形成胸腺の濾胞域に多数の両因子陽性細胞を見いだした。また、この組織から精製した80 kDa, 100 kDa因子はラット骨髄細胞に造血作用を示した。胸腺腫では、陽性細胞は認められず、異なる増殖機構の関与が考えられる。従って重症筋無力症胸腺過形成の発症維持は胎生ー新生児期の活発なリンパ球の増生機構に類似すると思われる。