ABSTRACT 1177(P4-8)
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赤白血病細胞株から得られた Translocon-Associated Protein alpha の解析:平間敏靖1,2、H. Phillip Koeffler2、宮坂昌之11阪大・医・バイオセ・臓器制御、2Hem/Onc, Cedars-Sinai Med. CTR, UCLA School of Med.)

Translocon-associated protein alpha is a differentially expressed gene in factor stimulated TF-1 cells: Toshiyasu HIRAMA1,2, H Phillip KOEFFLER2, Masayuki MIYASAKA1 (1Dept. of Bioreg., Biomed. Res. CTR, Osaka Univ. Med. School, 2Hem/Onc, Cedars-Sinai Med. CTR, UCLA School of Med.)

 ヒト赤白血病由来細胞株 TF-1 は多種のサイトカインに依存して増殖する。我々はこの細胞株を GM-CSF の有無の条件下で培養し、その RNA を用いて differential display を行い、増殖刺激により転写が増減する遺伝子の単離を試みた。この結果得られた遺伝子断片のひとつについて RACE 法で全長 cDNA をクローニングしたところ、Translocon-Associated Protein (TRAP) alpha であることがわかった。哺乳類では、分泌型および膜貫通型の蛋白は、リボゾームでの合成と同時に Sec61p 複合体で構成される親水性のチャネル (translocon) を介して小胞体内腔に移送される。TRAP alpha は translocon 近傍に局在する I 型膜蛋白で、その機能は不明である。現在アンチセンスを用いた TRAP alpha の in vitro でのノック・アウトを試みている。過去に報告されている TRAP alpha cDNA の塩基配列は 974 bp の長さであるが、今回我々が単離したものは 3.2 kb の長さを持ち、ノザン法および 3' RACE 法により複数長の転写産物として発現されていることが示唆された。また、Radiation Hybrid mapping による解析からは、TRAP alpha 遺伝子はヒト6番染色体短腕にあることが予想された。TRAP alpha は、その局在から恒常的に発現していると思われてきたが、特定の条件下では転写レベルでの制御を受けている可能性が示唆された。