ポスターセッション

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肝幹細胞の一種であるsmall hepatocytes の増殖と分化に及ぼす細胞外基質の役割：三高俊広、佐藤文彦、檜垣長斗、望月洋一（札幌医大・医・がん研病理）

Effects of extracellular matrix on the proliferation and differentiation of hepatic progenitor cells (small hepatocytes) isolated from adult rat liver: Toshihiro MITAKA, Fumihiko SATO, Nagato HIGAKI, Yohichi MOCHIZUKI (Dept. of Pathol., Cancer Res. Inst., Sapporo Med. Univ. Sch. of Med.)

［目的］　我々はsmall hepatocyteがクローナルに増殖し、培養経過とともに成熟化し、一部は非実質細胞を組み入れて３次元構造を作ることを見い出した。今回、このsmall hepatocyteの増殖に対する細胞外基質の影響を調べたので報告する。
［方法］成熟雄SDラット肝をcollagenaseで潅流し、肝細胞懸濁液を得た。５０xgで１分間遠心し、その上清を５０xgで５分間遠心した。pelletを培養液に浮遊させ、種々の細胞外基質をコートしたdishやcollagen gel上に播種した。培養液は DMEMに10％FBS, 10mM nicotinamide, 1 mM Asc2Pに10 ng/ml EGFやHGFなどの増殖因子を加えたものを用いた。
［結果］small hepatocyteはrat tail collagen, type IV collagen, lamininなどをコートしたdish上ではその増殖に差は見られないが、matrigelを薄くコートしたdishやcollagen gel上では著明に増殖した。また、非実質細胞の増殖を抑えるとsmall hepatocytesの増殖が著しく促進された。small hepatocytesをcollagen gelでサンドイッチし、HGFを加えて培養すると成熟肝細胞からなる腺管構造をつくる。
［結論］small hepatocytesの増殖や分化は肝非実質細胞の産生する細胞外基質によって調節されると考えられる。