ABSTRACT 1183(P4-8)
 ポスターセッション一覧 トップ 


HSP27トランスジェニックマウスにおける上皮細胞の増殖能:荒田悟1, 河野葉子2,立川哲彦2,黒木登志夫3,岩倉洋一郎4,野瀬清51昭和大・組換えDNA, 2昭和大・歯・口腔病理,3昭和大・腫瘍分子研,4医科研・実験動物,5昭和大・薬・微生物)

Modulation of cell growth of Keratinocytes in HSP27- transgenic mice: Satoru ARATA1,Yohko KOHNO2,Tetsuhiko TACHIKAWA2,Toshio KUROKI3,Yoichiro IWAKURA4,Kiyoshi NOSE5 (1,2,3,5Showa University, 4Inst.Med.Sci,Univ.Tokyo)

〔目的〕低分子熱ショック蛋白質(HSP27)は個体発生や細胞分化に関与することが示唆されている。我々は、細胞老化や酸化ストレスによる細胞の増殖停止にHSP27の発現とそのリン酸化が関与することを報告してきた。本研究では動物個体におけるHSP27の役割を明らかにする目的で、酸化ストレス等の影響を受けやすい皮膚上皮にHSP27を発現するトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作製して検討した。
〔方法〕K14プロモーターにヒトHSP27cDNAをつないだ発現系を用いてトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作製した。上皮細胞の増殖は、新生マウスの背部皮膚よりケラチノサイトを調製して調べた。
〔結果〕HSP27 Tgマウスは、6系統が得られ、全ての系統において共通の特徴として加齢過程(日齢250日以降)での脱毛(16〜50%)が認められた。また、新生Tgマウスから調製したケラチノサイトの増殖は正常マウスからのものに比べて低下しており、動物個体においても細胞増殖の制御にHSP27が関与することが示唆された。