ABSTRACT 1191(P4-9)
 ポスターセッション一覧 トップ 


Pre-Bリンパ芽急性白血病細胞におけるT細胞遺伝子再構成の機序の検討:田之上明子1、西井一浩2、三輪啓志2、片山直之2、珠玖 洋2、北堅吉21三重大・医、2三重大・2内)

Regulation of TCR rearrengement in pre-B ALL cells: Akiko TANOUE1, Kazuhiro NISHII2, Hiroshi MIWA2, Naoyuki KATAYAMA2, Hiroshi SHIKU2, Kenkichi KITA2 (1Med. School of Mie UNV., 22nd Dept. Int. Med. Mie UNV.)

(目的)形態学的、表現型発現様式にて白血病細胞のlineage、stageは同定されうるが、リンパ球性白血病細胞においては、Ig、TCR遺伝子再構成が有用である。しかし、(B前駆細胞性白血病)pre-B ALL細胞においてはIgのみならずTCR遺伝子再構成を認める例が少なからず存在し、その機序は未だ明らかでない。今回、その機序を明らかにするためtranscriptional factorを中心にpre-B ALL細胞におけるTCR遺伝子再構成例と非再構成例を比較検討した。
(方法)25例のpre-B ALL細胞をその表現型にて分類し、各々におけるTCR遺伝子再構成をRT-PCR、Southern-Blotting法にて、RAG1、Pax5、Ikaros、E47、Mb1、Oct2、PU.1などの発現をRT-PCR、Northern-Blotting、Western-Blotting法にて検索し比較検討した。
(結果、考察)Ig、TCR遺伝子再構成は共通のDNA recombinaseにより再構成が促されると考えられているが、我々の検討ではRAG1の発現量はTCR遺伝子再構成の有無に関わらず高発現であった。TCR遺伝子再構成例のほとんどの細胞はCD20+pre-B ALL細胞でありpre-B細胞の分化過程と密接な関係があり、transcriptional factorが重要な意味を持つことが示唆されこれらの関係について報告する。