ABSTRACT 1194(P4-9)
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レチノイン酸(ATRA)によるカルシニュウリン(CN)遺伝子の転写活性調節:紀平久和1、日浅厚則1、山本昌利1、鈴木宣則1、和田英夫1、珠玖洋1、西川政勝11三重大・医・二内)

Regulation by all trans-retinoic acid of transcriptional activity of calcineurin(CN)Aα gene in leukemic HL-60 cells : Hisakazu KIHIRA 1, Atsunori HIASA 1, Masatoshi YAMAMOTO1, Yoshinori SUZUKI 1, Hideo WADA1, Hiroshi SHIKU1, Masakatsu NISHIKAWA1 (12nd Dep. Of Intt. Med. Mie Univ.. School of Med. )

【目的】Ca2+/calmodurin依存性Ser/Thr phosphatase(CN)はATRA、ビタミンD3刺激によりHL-60細胞を分化誘導するとその発現が増加し、分化誘導に伴う増殖抑制に関与することを報告した。CNAα遺伝子にはRA 及びVD感応部位が存在せず、ATRA、ビタミンD3刺激によりCN発現が増加する機構については不明である。今回、HL-60細胞及びATRA resistant HL-60細胞(HL-60RAr)のATRAによるCNAα遺伝子の転写活性について検討した。【方法】種々の大きさのラットCNAα遺伝子5'非認識領域をCAT遺伝子に構築したplasmid(pK100-CAT等)を作成、electroporation法にてHL-60及びHL-60RArに導入後、転写活性に対するATRAの影響をCAT assayにて検討した。【結果】ATRA刺激によるHL-60におけるCNAα転写活性の発現を検討すると、転写活性発現はATRA依存性に認められ、ATRA添加後2時間でCAT活性が増加した。ATRA刺激によるHL-60RArにおける検討ではCNAα転写活性は発現しなかった。更に標的エレメント領域を推測する目的で種々のdeletion mutantを構築し検討した結果、骨髄系細胞分化との関連性が指摘されているmyeloid promoter(CCCCTCCC等)配列が3箇所存在するconstructでは活性が認められたが、存在しないconstructでは活性が認められなかった。以上より、ATRA刺激によるCNAα遺伝子の発現にはmyeloid promoter配列が関与する可能性が示唆された。