ABSTRACT 1195(P4-9)
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巨核球系細胞分化におけるEVI1遺伝子の発現と転写調節:森下和広1、清水誠一1,2、鈴川和己2、長澤俊郎2、小松則夫3、加藤修4、横田淳11国立がんセ・研・生物、2筑波大・医・血液、3自治医大・医・血、4広島大・原医研・環境変異)

Expression and gene regulation of the EVI1 gene during megakaryocyte differentiation : Kazuhiro MORISHITA1Seichi SHIMIZU1,2, Kazumi SUZUKAWA2, Toshiroh NAGASAWA2, Norio KOMATSU, Osamu KATO4 and Jun YOKOTA1, (1Natl. Cancer Center Res. Inst., 2Univ. Tsukuba, 3Jichi Medical School, 4Univ. Hiroshima, )

3q21q26症候群は骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病に見られ巨核球系細胞分化異常を高頻度で伴う。染色体転座の解析から3q26領域上のヒトEVI1遺伝子発現がこの白血病発症に関与することが示唆され、同時にその巨核球系分化異常にも何らかの影響がある可能性が疑われた。そこで巨核球細胞分化系を用いて、EVI1 遺伝子の細胞分化時の発現検索および、EVI1 遺伝子過剰発現による細胞分化に対する影響を調べている。UT-7巨核芽球性白血病細胞株を用いたトロンボポエチンによる巨核球系細胞分化時に、EVI1遺伝子はNF-E2、platelet factor (PF-4)、glyocoprotein IIb (GPIIb)と同時に転写の亢進が見られた。UT-7細胞に対してEVI1を恒常的発現を試みているが、得られた細胞株はそのほとんどが巨核化し増殖しなくなるため、現在転写誘導系を用いた発現系を構築中である。またEVI1はこれらの血小板特異的に発現する遺伝子群のプロモーター領域に存在するGATAもしくは ETS領域に結合でき、かつGATA及びETS転写因子群が血小板分化系において重要な役割をしていることが知られている。このためためEVI1遺伝子による転写制御が血小板特異的遺伝子群に及ぼす影響を、GPIIb promoter領域を用いてさらに検討している。