ABSTRACT 1334(P5-2)
三量体G蛋白質を介するRas非依存性MEK/MAPkinaseの新規活性化機構:武田 仁志1, 的崎 尚1, 野口 哲也1, 藤岡 洋介1, 山尾 卓司 1, 高田 俊之1,津田 政広1, 越智 深1, 福永 馨1, 稲垣 健二郎1,坂上 元祥 1, 春日 雅人1(神戸大・医・2内1)
A novel mechanism for G-protein-mediated MEK / MAPkinase activation ;Involvement of Ras-independent pathway :Hitoshi TAKEDA1,Takashi MATOZAKI1,Tetsuya NOGUCHI1, Yohsuke FUJIOKA1,Takuji YAMAO1,Toshiyuki TAKADA1, Masahiro TSUDA1, Fukashi OCHI1, Kaoru FUKUNAGA1, Kenjirou INAGAKI1,Motoyoshi SAKAUE1, Masato KASUGA1( 2nd. Dept. Int. Med., Kobe Univ.)
【目的】リゾホスファチジル酸(LPA)は、三量体G蛋白質を介してRas-MAPkinaseの活性化を誘導することが知られているが、今回我々はdominant negative typeのmSOS過剰発現CHO細胞(CHOΔSOS細胞)においてLPAがRas非依存性にGi/o蛋白質を介してMEK/MAPkinaseを活性化することを見い出し、そのシグナル伝達機構を解析した。【方法及び結果】CHOΔSOS細胞におけるMAPkinase,MEK及びRaf-1の活性化を in vitro kinase assay を用いて検討するとInsulin刺激ではそれらの活性化は全く認められないがLPA刺激によりRaf-1の活性化を伴わずMEK及びMAPkinaseの活性化を認めた。その活性化は百日咳毒素(PTX)及びMEKinhibitor,PD98059処理により完全に阻害された。またwortmanninの処理によってもそれらの活性は完全に阻害され、さらにホルボールエステル(TPA)によるPKC枯渇処理や古典的PKCinhibitor,GO6976の処理では影響を受けなかったが非典型的PKC(a-PKC)のinhibitor、RO31-8220の処理により完全に阻害された。CHOΔSOS細胞におけるa-PKCはLPAにより有意に活性化され、その活性化はPTX及びwortmannin感受性であった。【結論】Gi/o蛋白質を介するRas非依存性MEK/MAPkinaseの新規活性化機序が存在し、これにはPI3-kinase依存性のa-PKCの関与が示唆された。