ABSTRACT 1335(P5-2)
チロシンキナーゼ受容体 EPHB2による ヌクレオチド交換因子PIKbの活性化:田中正光1、吉井重人1.2、大月寛郎1、内藤恭久1、椙村春彦1(1浜松医大 第一病理、2浜松医大 第一内科)
Activation of nucleotide exchange factor PIXb by tyrosine kinase receptor EphB2: Masamitsu TANAKA1,Shigeto YOSHII1.2, Yoshiro OTSUKI1, Yasuhisa NAITO1, Haruhiko SUGIMURA1 (1Dept. of first pathology, Hamamatsu Univ. School of Med. 2Dept. of first Int.Med.,Hamamatsu Univ. School of Med. )
目的;我々はヒト胃癌で過剰発現しているチロシンキナーゼ受容体として ephファミリーに属するヒトEphB2を単離し(53回総会)、同分子はアフリカツメガエル初期胚に背側化の信号伝達を誘導することを報告した(56回総会)。一方、Eph受容体の下流の信号伝達分子は解明が不十分であるが、EphB1はSHアダプターのNckを介してJNKを活性化すると報告されている。今回我々はEphB2受容体はNckとPAK 、およびPAK結合ヌクレオチド交換因子であるPIKβと複合体を形成し、JNKを活性化することを報告する。
方法・結果;我々はPAKに結合する蛋白をスクリーニングし、ヒト胃癌細胞のcDNAライブラリーからPIKβを得た。培養細胞への導入実験から、PIKβはNckのSH3ドメインと結合し、細胞膜に存在するEphB2受容体と複合体を形成することによりヌクレオチド交換因子としての活性が昂進され、JNKを活性化した。また他のチロシンキナーゼ受容体として、PDGF受容体についても同様の検索をおこなっており、あわせて報告したい。