ABSTRACT 1340(P5-3)
大腸癌患者の便におけるmutant enriched PCRを利用したK-ras突然変異検出に関する検討:田村好弘1、佐藤太郎1、対馬健一1、森田隆幸2、棟方昭博1(1弘前大・医・1内、2弘前大・医・2外)
Detection of K-ras point mutations in stool of patients with colorectal cancer using mutant enriched PCR followed by allele specific oligonucleotide hybridization: Yoshihiro TAMURA1, Taroh SATOH1, Kenichi TSUSHIMA1, Takayuki MORITA2, Akihiro MUNAKATA1 (1First Dept. of Int. Med., 2Second Dept. of Surg., Hirosaki Univ. School of Med.)
便中に存在する大腸由来の細胞のうち多数を占めると推察される正常の粘膜細胞由来のalleleの消化のためmutant enriched PCR(ME-PCR)を行ない大腸癌患者の便中での変異の検出について検討した。40名の術前大腸癌患者を対象とした。便からのDNAを抽出はSidranskyらの方法に準じた。MspIを用いたME-PCRの後、ナイロンメンブレンにdot blotしallele specific oligonucleotide hybridization(ASO)法により点突然変異を検出した。PCR/ASOによるmutantの検出限界はmutant/wild typeが1/100、ME-PCR/ASOでは1/1000だった。大腸癌組織に点突然変異を認めたのは10例(25%)だった。このうち便から抽出したDNAにmutantを検出できたのはPCR/ ASOでは6例、ME-PCR/ASOではさらに1例の計7例だった。mutant alleleに対して過剰に存在する
と考えられるwild typeの消化を行なうことは検出上有利であることが示唆された。