ABSTRACT 1345(P5-3)
 ポスターセッション一覧 トップ 


ヒト RSa 細胞における紫外線高感受性と v-Ha-ras 遺伝子との関連:荒瀬佳子1、日和佐隆樹2、伊東久夫1、鈴木信夫2(千葉大・医・1放医、2二生化)

Studies on relationships between high ultraviolet-sensitivity and high levels of v-Ha-ras gene expression in human RSa cells : Yoshiko ARASE1, Takaki HIWASA2, Hisao ITO1, Nobuo SUZUKI2 (1Depts. of Radiol. and 2Biochem., Sch. of Med., Chiba Univ.)

紫外線 (UV) により誘導される細胞死とシグナル伝達の関係を調べるため、以下の実験を行なった。ヒト胎児由来繊維芽細胞より樹立された RSa 細胞は、紫外線やX線等の DNA 傷害因子に高い致死感受性を示す。これまでに ras がん遺伝子と紫外線抵抗性との関連を示唆する報告があったため、RSa 細胞における v-Ha-ras 遺伝子の影響について調べた。v-Ha-ras の cDNA を発現ベクター pMSG に組み込み、RSa 細胞にトランスフェクトした。得られた高発現クローン (RAS11) の UV 致死感受性は、ベクターコントロールと比較して大きな違いは見られなかった。一方シグナル伝達においては、v-Ha-ras の発現によってリン酸化 JNK が増加していたが、UV によっては著名な増加は見られなかった。これらのことから、 v-Ha-ras の高発現は RSa 細胞の紫外線高感受性には影響を与えないと考えられた。