ABSTRACT 1353(P5-3)
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RalBP1結合蛋白質POB1のEHドメインに結合する蛋白質の同定:森中賢二1、中島真太郎1、檜井孝夫1、池田昌博1、小山眞也1、大川克也2、岩松明彦2、菊池章11広島大・医・生化、2キリンビール基盤研)

Identification of a protein which interacts with the EH domain of a novel protein POB1, a binding protein of RalBP1. : Kenji MORINAKA1, Shintaro NAKASHIMA1, Takao HINOI1, Masahiro IKEDA1, Shinya KOYAMA1, Katsuya OHKAWA2, Akihiko IWAMATSU2, Akira KIKUCHI1 (1Dept. of Biochemistry, Hiroshima Univ. Sch. of Med., 2Cent. Labs. for Key Tech. Kirin)

昨年私共は、低分子量G蛋白質Ralの標的蛋白質であるRalBP1に結合する新規の蛋白質POB1(Partner of RalBP1)を同定した。POB1は、中央部にEH(Eps15 Homology)ドメインを持ち、C末端側でRalBP1と結合した。RalBP1におけるRal結合領域とPOB1との結合領域は異なり、これらの蛋白質は三者複合体を形成した。今回私共は、この複合体の生理的機能を明らかにするためにウシ大脳細胞質画分からaffinity purificationによりPOB1のEHドメインと結合する蛋白質を精製した。その結果、アフリカツメガエルのMP90(mitotic phosphoprotein 90)と高いホモロジーを示す約84kDaの蛋白質を得た。MP90は卵細胞のM期に特異的にリン酸化される蛋白質である。そこで、ヒト大脳cDNAライブラリーより、このMP90のホモログをコードする全長のcDNAを得た。本蛋白質は551個のアミノ酸から成り、プロリンに富んだ領域が2ケ所認められる他に、中央部にcdc2キナーゼのリン酸化モチーフが1ケ所、C末端部にEHドメインが結合するNPFモチーフが3ケ所認められた。したがって、本蛋白質は細胞周期依存性にリン酸化され、Ralからのシグナル伝達系およびSH3領域を持つ蛋白質と相互作用することにより細胞機能を制御する可能性があり、現在これらの点について解析中である。