ABSTRACT 1362(P5-4)
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EGF刺激によりチロシンリン酸化され、SHP-2と共沈するSHPS-1 と100KDaの細胞質蛋白質: 越智 深1, 的崎 尚1, 野口 哲也1, 藤岡 洋介1, 山尾 卓司 1,高田 俊之1, 津田 政広1, 武田 仁志1, 福永 馨1, 稲垣 健二郎1, 春日 雅人1(神戸大・医・2内1

EGF stimulates tyrosine phosphorylation of SHPS-1 and 100KDa cytoplasmic protein and their association with SHP-2 :Fukashi OCHI1 ,Takashi MATOZAKI1 ,Tetsuya NOGUCHI1, Yohsuke FUJIOKA1,Takuji YAMAO1,Toshiyuki TAKADA1 , Masahiro TSUDA1, Hitoshi TAKEDA1 , Kaoru FUKUNAGA1, Kenjirou INAGAKI1, Masato KASUGA1,( 2nd. Dept. Int. Med., Kobe Univ.)    

【目的】SHPS-1は120KDaの膜蛋白質で、インスリンや細胞接着により、チロシンリン酸化を受け、チロシンホスファタ-ゼSHP-2と結合する。今回我々は、EGF刺激によるSHPS-1のチロシンリン酸化とSHP-2の結合、さらにSHP-2と共沈する蛋白質の解析を行った。【方法及び結果】CHO細胞にEGFレセプタ-を強発現させたCHO-ER細胞をEGFで刺激し、SHPS-1のチロシンリン酸化とSHP-2の結合を検討した。EGF刺激後2分でSHPS-1のチロシンリン酸化は最大になり、それに伴いSHP-2の結合も増加した。CHO-ER細胞にSHPS-1を強発現させたところ、SHPS-1のチロシンリン酸化はより顕著にみられたが、EGF刺激によるMAPキナ-ゼの活性化には影響を与えなかった。さらにEGF刺激によりSHPS-1と共に100KDaのチロシンリン酸化蛋白質(pp100)がSHP-2と共沈した。pp100は細胞質分画に存在し、Gab-1とも異なる新規の蛋白質と考えられた。またCHO-ER細胞をPTPase阻害剤phenylarasine oxideで処理することでチロシンリン酸化が増強されることより、pp100はSHPS-1と同様にSHP-2の基質である可能性が考えられた。【結論】EGF刺激により、SHPS-1と共に100KDaの細胞質蛋白質pp100がチロシンリン酸化され、SHP-2と共沈した。またpp100はEGFシグナル伝達に関与する可能性が示唆された。