ポスターセッション

一覧　トップ

子宮内膜癌における癌抑制遺伝子PTENおよびPseudo PTENの解析: 横山康宏、高橋雄一郎、玉舎輝彦（岐阜大、産婦）

Mutational analysis of PTEN and Pseudo PTEN in the normal endometrium and endometrial carcinoma: Yasuhiro YOKOYAMA,TAKAHASHI,Teruhiko TAMAYA (Dept. of OB/GYN, Gifu Univ. Sch. of Med.)

[目的]子宮内膜癌で新規癌抑制遺伝子PTENの高頻度な遺伝子異常が報告されている。我々は正常子宮内膜、子宮内膜癌におけるPTEN mRNAをRT-PCR Direct sequence法によって解析した。[方法]正常子宮内膜10例、子宮内膜癌16例について、1209塩基のPTENのORFを３組のPCRprimerで増幅しdirect sequence法によって遺伝子配列を検討した。[結果]正常子宮内膜10例中9例は PTENとはinitiation codonを含めてORFに18塩基、5'-untranslated regionに6塩基の相異を認めた。この配列は第９染色体にmapされるPTEN pseudogeneとほぼ同一であった。更に5'方向へ遺伝子配列分析を進めたところ、このtranscriptのORFはPTENより102塩基少なく、予測されるアミノ酸配列からPTENと同じPTPと考えられた(PTEN-DE)。検討した子宮内膜癌16例中14例の配列はこのPTEN-DEであり、2例は変異型の PTENであった。検討した子宮内膜癌培養細胞３種もすべてPTEN-DEの配列を示した。PTEN-DEの配列を示した14例中8例にmutationが見られた。この8例で17箇所のmutationがあり、missense mutation,7; frame shift mutation ,3; nonsense mutation, 1 ;silent mutation 6であった。MutationはPTP domainを含むN-terminal halfにより高頻度に観察された。[結論]子宮内膜ではPTEN-DEがdominantであり、子宮内膜癌で高率にこの遺伝子配列に変異がみられたことから、PTEN-DEも癌抑制遺伝子である可能性が示唆された。