ABSTRACT 1375(P5-5)
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ins(5;11)(q31;q13q23)-乳児急性リンパ性白血病におけるMLL遺伝子の新規転座相手遺伝子の単離:滝 智彦1, 狩野博嗣1, 谷脇雅史2, 迫 正廣3, 別所文雄1, 林 泰秀11東大・医・小児, 2京都府立医大・三内, 3大阪市総合医セ・小児)

Molecular cloning of a novel partner gene of the MLL in infant acute lymphoblastic leukemia with ins(5;11)(q31;q13q23) : Tomohiko TAKI1, Hirotsugu KANO1, Masafumi TANIWAKI2, Masahiro SAKO3, Fumio BESSHO1, Yasuhide HAYASHI1 (1Dept. Pediat., Univ. Tokyo, 2Dept. Med., Kyoto Pref. Univ. Med., 3Dept. Pediat., Osaka City General Hosp.)

MLL遺伝子は、乳児白血病、治療関連性白血病で高頻度に見られる11q23転座より単離された。今までに16個の転座相手遺伝子が単離されたが、融合遺伝子の機能についてはまだあまり明らかになっていない。今回我々はins(5;11)を有する乳児急性リンパ性白血病(ALL)の解析を行い、MLL遺伝子と融合遺伝子を形成する新規遺伝子の単離を行った。対象は生後5カ月発症のALL。染色体分析の結果ins(5;11)(q31;q13q23)が認められ、サザンブロット解析でMLLの再構成を認めた。患児白血病細胞より抽出したmRNAよりcDNAライブラリーを作成し、MLL cDNAプローブを用いてスクリーニングを行い、エクソン5から7までのMLLのシークエンスの3'側に114bpの未知のシークエンスが融合している1クローンを単離した。この未知のシークエンスをプローブとしてヒト胎盤cDNAライブラリーをスクリーニングし全長をクローニングした。この遺伝子は1163個のアミノ酸をコードし、AF4と一部相同性がみられた。またFISH解析により染色体5q31.1にマップされた。現在ゲノムの詳細な解析とこの新規遺伝子及びMLLとの融合遺伝子の機能解析を進めている。