ABSTRACT 1378(P5-5)
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節外性リンパ腫に認められる18q21転座切断点領域の解析:赤木智昭1、田村明子2、細川好孝1、鈴木律朗1、中村 栄男3、森島泰雄4、谷脇雅史2、瀬戸加大1 (1愛知がんセ・研・化療、3同・病・臨検、4血化、2京都府立医大・3内)

The breakpoint at 18q21 in extranodal lymphoma :Tomoaki AKAGI1, Akiko TAMURA2, Yoshitaka HOSOKAWA1, Ritsuro SUZUKI1, Shigeo NAKAMURA3, Yasuo MORISHIMA4, Masafumi TANIWAKI2, Masao SETO1 (1Lab.of Chemotherapy, Aichi Cancer Res. Inst.,Dept.of 3Pathol & Clin.Labs, 4Hematol & Chemotherapy, Aichi Cancer Ctr Hosp .,23rd Dept.of Med. Kyoto pref. Univ. Med.)

[目的・方法]染色体18番q21領域は種々のリンパ腫で高頻度に異常が認められる。我々はこれまでに18番染色体とX染色体の転座を呈し、かつ縦隔に腫瘤形成をきたしたBリンパ腫細胞株Karpas-1106Pの18q21転座切断点を解析してきた。11,18番染色体の相互転座が粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT lymphoma)に特異的であるという報告がなされているが、我々は11,18番染色体の相互転座が認められた症例における転座切断点との関連について解析した。
[結果と考察]Karpas-1106P転座切断点の解析に用いた18q21上に位置するYAC cloneを使用し11,18番染色体相互転座が認められた症例のFISH解析を行ったところ、Karpas-1106Pの転座切断点を含むYAC cloneよりtelomere側に位置するYAC cloneに転座切断点が認められた。現在、同YACよりPAC contigを作製し、解析中である。18q21領域にはBCL-2 geneを含め、いくつかのoncogene,suppressor geneが単離されているが、MALT リンパ腫の発症に関わる遺伝子はいまだ同定されていない。本領域の転座切断点の解析によりMALTリンパ腫発症における新たな分子機構を明らかにする可能性がある。