ABSTRACT 1382(P5-5)
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Ewing肉腫/PNETに見出されたキメラ遺伝子の機能解析─ Chromatin免疫沈降法によるtarget sequenceの単離: 福間真理子, 梅沢明弘, 浦野文彦, 秦順一(慶應義塾大・ 医・病理)

Isolation of target sequence of EWS-E1AF chimera gene in Ewing sarcoma cells by chromatin immuno-
precipitation method: Mariko FUKUMA, Fumihiko URANO, Akihiro UMEZAWA and Jun-ichi HATA (Dept. Pathol. Keio Univ. Sch. Med.)

[目的及び方法] Ewing肉腫/PNETは思春期に好発する難治性腫瘍で特徴的な染色体転座が存在し、EWS遺伝子(22番染色体)とets family 遺伝子(FLI1, ERG etc.)とのキメラ遺伝子が報告されている。 われわれは新たなキメラ遺伝子EWS-E1AFを単離した。キメラ遺伝子の機能を解析する目的でキメラ遺伝子が結合すると考えられるtarget sequence及びtarget geneの単離を試みた。方法は蛋白に対する特異抗体で蛋白/ DNA複合体を免疫沈降を行い、target seqenceをクローニングするクロマチン免疫沈降法を用いた。この方法が癌遺伝子のtarget検索に応用されるのは初めてである。
[結果]Ewing肉腫培養細胞株から抗Fli-1抗体を用いてクロマチン免疫沈降を行い濃縮されてきたDNA flagment をPCRで増幅した。得られた多数のクローンの解析の結果ets のconsensusであるGGAT配列を含むクローンが数個単離された。現在この配列を持つ遺伝子を検索しEwing 肉腫発症における役割を検討している。