ABSTRACT 1383(P5-5)
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Ewing肉腫に特異的なキメラ癌遺伝子の機能解析:吉田幸一1、石田勢津子1、梅澤明弘2、浦野文彦2、三高俊広3、時野隆至1、秦 順一2、藤永惠41:札幌医大・がん研分子生物、2:慶応大・医・病理、3:札幌医大・がん研病理、4:札幌医大がん研分子生物、現宝酒造(株)・バイオ研)

Functional analysis of the chimeric oncogenes in Ewing sarcoma : Koichi YOSHIDA 1, Setsuko ISHIDA1, Akihiro UMEZAWA 2, Fumihiko URANO 2, Toshihiro MITAKA 3, Takashi TOKINO 1, Junichi HATA 2, Kei FUJINAGA 4 (1: Dept Mol Biol. Cancer Res Inst. Sapporo Med Univ. Sch Med., 2: Dept Pathol. Keioh Univ. Sch Med., 3: Dept Pathol. Cancer Res Inst. Sapporo Med Univ. Sch Med., 4: Dept Mol Biol. Cancer Res Inst. Sapporo Med Univ. Sch Med., Biotech Res Lab.Takara Shuzo Co. Ltd.)

[目的]Ewing肉腫の約95%で特徴的な染色体転座が起こり、EWS(Ewing Sarcoma) とEts ファミリー遺伝子の融合したキメラ遺伝子が形成される。このキメラ遺伝子の産物はプロモーター上のEts 配列に結合し転写異常を引き起こすと考えられる。本研究では、このキメラ転写因子の標的を同定し、Ewing 肉腫の発生機序や腫瘍特異形質の発現機構を明らかにすることを目的としている。[方法]キメラ遺伝子(EWS-FLI1, EWS-ERG, EWS-E1AF)や正常Ets 遺伝子(FLI1, ERG, E1AF) をレトロウイルス発現ベクターを用いて細に導入、発現細胞を分離した。また、アンチセンスcDNA をEwing肉腫細胞に導入した。標的遺伝子の発現をノーザン法、ウエスターン法、蛍光抗体法で調べた。 [結果]キメラ遺伝子の導入により、血清即応答性の遺伝子(EGR-1, c-fos)の発現が誘導、あるいは増加した。逆に、Ewing細胞へのアンチセンス導入により、EGR-1の発現が抑制された。c-fosの誘導はキメラ型遺伝子の導入細胞に特異的にみられた。Ewing特異抗原のMIC2はキメラ、正常型のいかんにかかわらず、遺伝子導入細胞の細胞膜上に観察された。特にEGR-1に注目し、EGR-1の下流の増殖因子とレセプターを検討している。