ポスターセッション

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食道癌におけるp27(Kip1)発現の意義：香川佳寛，吉田和弘，桑原正樹，大崎昭彦，山下芳典，平井敏弘，峠　哲哉 (広島大学原爆放射能研究所腫瘍外科)

The significance of the expression of p27(Kip1) in esophageal carcinomas : Yoshihiro KAGAWA, Kazuhiro YOSHIDA, Masaki KUWAHARA, Yoshinori YAMASHITA, Toshihiro HIRAI, Tetsuya TOGE (Dept. of surg. onco., Res. Ins. for Rad. Bio. and Med., Hiroshima Univ.)

［目的］p27^Kip1は細胞増殖抑制因子と考えられ，乳癌，胃癌，大腸癌ではp27^Kip1の発現減弱が悪性度や予後と相関すると報告された．我々は食道癌でのp27^Kip1とcyclinE の発現について検討した．［対象と方法］食道扁平上皮癌77例を対象としp27^Kip1、cyclinE、cyclinD1モノクローナル抗体を用いて免疫染色を行い、臨床病理学的因子と比較した。また食道癌細胞株6株、胃癌細胞株4株に対してwestern blot法を用いRB、p53、cyclinE、cyclinD1、p27^Kip1の発現を検討した。［結果と考察］食道癌でのp27^Kip1、cyclinE、cyclinD1の高発現率はそれぞれ55%、17%、18%であった．p27^Kip1はリンパ管侵襲高度陽性(ly2、3)例，静脈侵襲高度陽性(v2、3)例，リンパ節転移高度陽性(n2、3、4)例，高度進行(stage3、4)例で高発現で、cyclinEは高度進行(stage3、4)例で高発現であった。しかし予後との関連は認めなかった。またp27^Kip1高発現の症例はcyclinD1が高発現である傾向があった。食道癌ではp27^Kip1とcyclinD1との間にpositive feedbackの関係が存在する可能性が示唆され、p27^Kip1発現と悪性度・予後との関係は臓器により異なる可能性が示唆された。