ABSTRACT 1399(P5-6)
肺Large cell neuroendocrine carcinoma (LCNEC)および肺小細胞癌(SCLC)におけるRBおよびp16INK4タンパク質の喪失:秋田弘俊1,広海弘光1,Philip Cagle2,藤田昌宏3,本村文宏1,三品孝行1,William Benedict4,川上義和1(1北大・医・1内, 2ベイラー医大・病理, 3国立札幌病・病理, 4M. D. Andersonがんセ)
Loss of retinoblastoma (RB) and p16INK4 proteins in large cell neuroendocrine carcinomas (LCNEC) and small cell carcinomas (SCLC) of the lung: Hirotoshi AKITA1, Hiromitsu HIROUMI1, Philip CAGLE2, Masahiro FUJITA3, Fumihiro HOMMURA1, Takayuki MISHINA1, William BENEDICT4, Yoshikazu KAWAKAMI1 (1Hokkaido Univ. Sch. of Med., 2Baylor Med. College, 3National Sapporo Hosp., 4M. D. Anderson Cancer Center)
「目的・方法」肺神経内分泌腫瘍におけるRBおよびp16INK4A (p16)タンパク質発現の意義を明らかにするため、摘出時病理診断がSCLCであった33手術摘出肺腫瘍について、病理組織学的に再評価するとともに、両タンパク質の発現を免疫組織化学法で検討した。
「結果」1)病理組織学的再評価の結果、33腫瘍のうち6腫瘍はLCNECと、27腫瘍はSCLCと診断された。2)LCNECのうち3腫瘍ではRBタンパク質発現は正常(RB+)で、残りの3腫瘍ではRBタンパク質発現は喪失(RB−)。一方、SCLC27腫瘍はすべてRB−。3)RB+ LCNEC3腫瘍では、p16タンパク質発現は喪失(p16−)。一方、RB− LCNEC3腫瘍ではp16タンパク質発現は正常(p16+)。RB− SCLC27腫瘍においてはすべてp16+。
「結論」細胞周期G1チェックポイントで作用するp16:RB癌抑制系は、LCNECにおいてはRBまたはp16タンパク質いずれかの喪失によって、SCLCにおいてはRBタンパク質の喪失によって機能を失っていると考えられた。