ポスターセッション

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肺腺癌亜型のp53遺伝子変異からみた発癌の原因に関する検討：橋本毅久^1,5, 得地令郎¹, 西田一典², 林　盛昭¹, 林　慎一¹, 小林康人², 石川雄一³, 中川　健⁴, 林　純一⁵, 土屋永寿¹(埼玉がんセ・¹研究所・²臨床病理, 癌研・³病理・⁴呼吸器外科, ⁵新潟大医２外)

Analysis of etiological factors for subtypes of pulmonary adenocarcinoma by p53 mutational spectrum:Takehisa HASHIMOTO^1,5, Yoshio TOKUCHI¹, Kazunori NISHIDA², Moriaki HAYASHI¹, Shin-ichi HAYASHI¹, Yasuhito KOBAYASHI², Yuichi ISHIKAWA³, Ken NAKAGAWA⁴, Jun-ichi HAYASHI⁵, Eiju TSUCHIYA¹(¹Saitama Cancer Ctr.Res.Inst., ²Clin. Pathol., Cancer Inst.³Pathol., ⁴Chest Surg., ⁵Sec.Dept.of Surg.Niigata Univ.School of Med.)

(目的)肺腺癌(ad)は組織像によりその発癌原因が異なることが推測される。p53遺伝子変異の頻度や種類、喫煙との関係をad細胞亜型と扁平上皮癌(sq)とで比較することにより発癌原因の違いについて検討した。(対象と方法)手術切除されたad113例とsq38例を対象とし、各腫瘍組織からDNAを抽出、p53遺伝子のexon4-8、10のPCR-SSCPを行い異常バンドを示した症例はダイレクトシークエンスを行った。adは5つの細胞亜型; hobnail(hob54例)、columnar(col23例)、mixed(mix18例)、polygonal(13例)、goblet(5例) cell typeに分類した。(結果)ad46例(41%)、sq22例(58%)に変異を認めた。亜型別変異頻度をみるとhobでは20例(37%)に変異を認め、colの16例(70%)やsqに比べて有意に低かった。他の亜型とでは有意差は認めなかった。hobではtransition(ts)、col・sqではtransversion(tv)の割合が有意に高く、特にhobではCpG配列でのG to A ts、col・sqではG to T tvの割合が高かった。またhobでは喫煙者の割合が低いのに対して、col・sqではその割合が高かった。(考察)発癌原因としてhobでは内因性要因が、colではsqと同様に喫煙が重要な役割を果たしていると思われた。