ABSTRACT 1427(P5-8)
平坦陥凹型大腸微小病変における遺伝子異常の解析:森田哲史1、冨田尚裕1、大植雅之1、大西 直1、川端雄一1、多田正知1、関本貢嗣1、伊藤正祐2、門田守人1(1阪大・医・第二外科、2伊藤クリニック)
K-ras codon 12 mutation and p53 immunostaining in superficial colorectal adenomas : Tetsushi MORITA1, Naohiro TOMITA1, Masayuki OHUE1, Tadashi ONISHI1, Yuiti KAWABATA1, Masatomo TADA1, Mitsugu SEKIMOTO1, Masayu ITO2 , Morito MONDEN1(1Dept. of Surg. II, Osaka Univ. Med School, 2Ito Clinic)
<目的>我々は de novo 発癌経路における初期病変と考えられている平坦陥凹型大腸微小病変の特徴を明らかにする目的でその遺伝子異常について検討した。
<対象>1994年から 97年までに大腸内視鏡下に切除された径 5mm 未満の平坦陥凹型病変78例。
<方法>1)CM1抗体を用いたp53 免疫染色で蛋白異常蓄積の有無を検索した。2)パラフィン切片から microdissection 法にて DNA を抽出し、PCR 法を用いて K-ras 遺伝子変異の解析を行った。
<結果>1)p53 免疫染色は77例中すべて陰性であった。2)K-ras 遺伝子変異は 28 例中 3 例(11%) に認められた。
<考察>平坦陥凹型大腸微小病変の形成における p53 および K-ras 遺伝子変異の頻度は低く、他の遺伝子異常の関与が推測された。