ABSTRACT 1428(P5-8)
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ヒト尿路上皮癌におけるp53 遺伝子変異のYeast Functional Assay法を用いた検索:山本晋史1,多田光宏3,李 祺家1,桝田周佳1,片桐里美1,和田誠次2,岸本武利2,長嶋和郎4,福島昭治1 (大阪市大・医・11病理,2泌, 北大・医・3脳外,42病理)

Analysis of p53 gene mutation in human urothelial carcinomas using yeast functional assay: Shinji YAMAMOTO1, Mitsuhiro TADA3, Chyi-Chia R. LEE1, Chikayoshi MASUDA1, Satomi KATAGIRI1, Seiji WADA2, Taketoshi KISHIMOTO2, Kazuo NAGASHIMA4, Shoji FUKUSHIMA1 (11st Dept. Pathol., 2Dept. Urol., Osaka City Univ. Med. Sch., 3Dept. Neurosurg., 4Second Dept. Pathol., Hokkaido Univ. Sch. Med.)

【目的】p53 遺伝子異常の検索法として免疫組織染色およびPCR-SSCP法が一般的であるが、それらによる結果は間接的なものである。p53 遺伝子の転写活性化因子としての働きを利用したYeast Functional Assay法を用いて、ヒト尿路上皮癌のp53 遺伝子異常を検索した。
【対象と方法】対象として用いた尿路上皮癌32例の組織型は膀胱腺癌の1例を除き全例移行上皮癌であった。腫瘍組織よりRNAを抽出し、p53 遺伝子のcDNAを作成、酵母株yIG397に導入しp53蛋白を発現させた。この酵母株には同時にp53結合サイトを挿入してあり、転写活性化能の有無によりコロニーを白・赤と判別した。
【結果と考察】p53 遺伝子変異の頻度は13/32(41%)であり、特に高悪性度群において高頻度であった。うち8症例では正常のp53 遺伝子は殆ど発現されておらず、p53 遺伝子変異に加えて対側アレルの消失(LOH)が示唆された。この検出法は鋭敏かつ簡便な方法であり、今後p53 遺伝子異常のスクリーニングに大いに有用であると考えられる。