ABSTRACT 1430(P5-8)
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乳癌ではp53変異とエストロジェン受容体陰性が重複した場合予後が悪化する:高橋将人1,2、外木秀文2、古内恵司2、柏崎晴彦2、浜田淳一2、籐堂省1、細川真澄男3、守内哲也21北大・医・1外、2癌研細胞制御、3癌研病理)

Prognostic value of p53 mutation and its cooperative significance with loss of estrogen receptor in primary breast cancers.: Masato TAKAHASHI1,2, Hidefumi TONOKI2, Keiji FURUUCHI2, Haruhiko KASHIWAZAKI2, Jun-ich HAMADA2, Satoru TODO1, Masuo HOSOKAWA3, Tetsuya MORIUCHI2 (1First Dept. Surgery, 2Div. Cell Biol., and 3Pathol., Cancer Inst., Hokkaido Univ. Sch. Med.)

【目的】p53の予後因子としての重要性はその変異検出感度に依存する。我々は、高感度な酵母アッセイ(YA)を用いて、乳癌におけるp53変異を検出し、免疫組織染色(IHC)解析を併用して、臨床予後との関連を検討した。
【方法】76例の乳癌切除症例について、YAおよびIHCを行い、YA(+)/IHC(+), YA(+)/IHC(-), YA(-)/IHC(+), YA(-)/IHC(-)の4群に分類した。さらに、p53変異とエストロジェン受容体(ER)陰性の2つのパラメータを組み合わせて予後を検討した。【結果】YAで39% (30/76)にp53変異が同定された。YA(+)/IHC(+)群(n=17)ではほとんどがミスセンス変異(16例)、 YA(+)/IHC(-)群(n=13)では大部分がナンセンスまたはフレームシフト変異(10例)であった。YA(+)/IHC(+)群はYA(-)/IHC(-)群(n=41)に比し、有意に予後が良好であった。また、YA(+)例でER発現のないものはそれ以外の症例に比べ非常に予後不良であった。
【結論】乳癌においては、p53が正常であるかまたはER発現が認められれば予後が良く、p53変異とER陰性が重なると予後が著しく悪化することが示された。