ABSTRACT 1435(P5-9)
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食道癌・胃癌におけるp53標的遺伝子の発現と抗癌剤感受性との関連:岩橋 誠、谷村 弘、山上裕機、上田健太郎、中森幹人、角田卓也、野口浩平(和歌山医大・2外)

Relationship between the expression of p53-targeted gene and anticancer drug chemosensitivity in cancer tissue:Makoto IWAHASHI, Hiroshi TANIMURA, Hiroki YAMAUE, Kentaro UEDA, Mikihito NAKAMORI, Takuya TSUNODA, Kohei NOGUCHI, (Second Dept.of Surg., Wakayama Medical School)

近年、野生型p53や、p53標的遺伝子であるGPI-anchored molecule like protein (GML)の発現、導入によって抗癌剤の感受性が上昇することが報告されている。今回、腫瘍組織におけるp53標的遺伝子のGMLとp21の発現とMTT assayあるいはHistoculture Drug Response Assay (HDRA)による抗癌剤感受性を比較検討した。【方法】胃癌11例、食道癌2例を対象とした。腫瘍組織におけるGMLとp21のmRNAの発現はRT-PCR法で行った。抗癌剤感受性試験は純化腫瘍細胞を用いたMTT assay法 (9例)およびHDRA法(8例)を用いてCDDP, 5-FU, MMC, ADRの4剤について測定した。【結果】13例中1例にGMLの発現を認め、6例にp21の発現を認めた。MTT assayとの関連では、臨床効果を得るためのSD活性抑制率のcut off値74%以上を感受性陽性とした場合、CDDP感受性の3例中2例にp21発現陽性であり、1例にGML陽性であった。5-FU感受性の5例中4例にp21発現陽性であり、1例にGML陽性であった。症例全体のSD活性抑制率はCDDPおよび5-FUではp21陽性例で高い傾向を示した。HDRA法でもCDDPによる抑制率はp21陽性例で高い傾向を示した。いずれも MMCとADRは一定の傾向を示さなかった。【結語】消化器癌では腫瘍組織のp21およびGMLのmRNAの発現より抗癌剤感受性を予測できる可能性が示唆された。