ABSTRACT 1439(P5-9)
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p53の標的遺伝子、GMLの発現異常と薬剤感受性および臨床経過:木村康利1,2,関豊和1,鬼原史1,2,平田公一,中村祐輔1 (1東大医科研・シークエンス解析,2札幌医大 1外)

Aberrant expression of GML gene correlates to in vitro-anticancer drug sensitivity and clinical prognosis: Yasutoshi KIMURA1,2, Toyokazu SEKI1, Chikashi KIHARA1,2, Koichi HIRATA2 and Yusuke NAKAMURA1 (1Lab. Mol. Med., Inst. Med. Sci., Univ. Tokyo, 21st Dept. of Surg.Sapporo Med.Univ.)

GMLは代表的な癌抑制遺伝子産物であるp53によって発現が誘導される遺伝子として単離された。これまでの検討の結果、種々の悪性腫瘍由来細胞株においてDNA障害性薬剤を中心とした抗癌剤に対する感受性とGMLの発現に相関が認められた。また、GMLを外来性に導入することにより、p53非依存的に薬剤および放射線感受性を上昇させることが明らかとなっている。以上によりGMLは種々の悪性腫瘍における薬剤感受性の指標の一つになりうると考えられる。今回我々はGMLの発現状況と薬剤感受性についてin vitro, in vivo での検討を行った。GMLには二つのsplicing variantが存在しており、大腸癌細胞株において様々な発現誘導パターンが確認された。これら中で正常型GMLの発現を誘導し得る細胞株は、薬剤感受性試験において高感受性を、trancated typeのみを発現誘導する細胞株は抵抗性を示す傾向を認めた。我々はまた、食道癌臨床検体を用いp53の変異の有無、splicing variantを含めたGMLの発現異常、さらに予後との相関について検討を行ったのでこれらの結果と併せて報告する。