ABSTRACT 1449(P5-9)
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乳癌細胞株MCF-7におけるエストロゲン誘導性P53蛋白についての検討 : 佐治重衡1、中島茂2、戸井雅和3、林慎一4、佐治重豊1、野澤義則2 (1岐阜大・医・外、2岐阜大・医・生化、3都立駒込・外、4埼玉がんセ・生化)

Estradiol induced P53 up-regulation in MCF-7: Shigehira SAJI1, Shigeru NAKASHIMA2 , Masakazu TOI3, Shinichi HAYASHI4, Shigetoyo SAJI1, Yoshinori NOZAWA2 (1Dept. 2nd Surg., Gifu Univ., 2Dept. Biochem., Gifu Univ., 3Dept. Surg., Tokyo Metro. Komagome Hp., 4Dept. Biochem., Saitama Cancer Ctr.)

(目的) 乳癌細胞株MCF-7において、エストロゲン(E2)により誘導されるP53蛋白発現が、MDM2蛋白の発現量により調節される可能性を得たので報告する。(方法) 以前に我々が樹立したMDM2蛋白高発現MCF-7細胞株MCF-7/pCmdm2とやや発現が低下するMCF-7/pCmdm2ASを使用し、E2添加により誘導される蛋白質をウエスタンブロッテイングで評価した。またmdm2のアンチセンスオリゴ(As oligo)を作成しtransientに抑制した場合も検討した。(結果)MCF-7, /pCmdm2, /pCmdm2AS各細胞株ともにE2濃度依存性にP53蛋白発現は増加し、時間の経過とともに増強したが、P53の分解を促進するMDM2の高発現株MCF-7/pCmdm2で最も強いP53の誘導がみられた。MCF-7にmdm2のAs oligoを作用させ、MDM2蛋白発現を抑制すると、E2非存在下ではAs oligo濃度依存性にP53蛋白の発現が増加したが、E2存在下ではAs oligo濃度依存性にP53蛋白の発現が低下した。これらはE2によるP53の誘導に関しMDM2蛋白の発現量が影響をあたえる可能性を示している。