ABSTRACT 1452(P5-10)
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細胞内に発現するp16INK4A 蛋白の定量法の確立:住友賢哉、清水英治、川西雅史、曽根三郎(徳島大・医・3内)

Quantitative analysis of p16INK4A protein expression in lung cancer cells: Kenya SUMITOMO, Eiji SHIMIZU, Masashi KAWANISHI, Saburo SONE (Dept. of 3rd Intern. Med. ,Tokushima Univ.)

【目的】p16INK4AはCDK4/6に結合してRBリン酸化を阻害し、細胞増殖抑制的に作用する癌抑制遺伝子である。p16遺伝子導入による遺伝子治療の試みが検討されているが、p16の効果発現はp16とcyclin D1とのモル比に依存している。今回、細胞内に発現するp16INK4A蛋白の定量法を検討した。【方法】p16遺伝子導入はリポフェクション法により行った。GST-p16融合蛋白を大腸菌よりグルタチオンビーズで分離後、還元型グルタチオンで可溶化した。GST-p16はBSAを対照とし、7.5-15% gradient gelにて電気泳動後、Coomassie blue染色し、定量化した。定量化したGST-p16とともに各種肺癌細胞やp16遺伝子導入後の肺癌細胞lysateを電気泳動し、ECL法にてp16シグナルを検出した。。細胞lysateのp16定量はデンシトメトリーを用いて検討した。【結果と考察】この系でのp16定量感度は細胞lysate 1μgあたり1 pgであった。細胞lysate 1μgあたりのp16 発現量は HeLa細胞で11.9 pg、H209で12.5 pg、Ma-1で1.4 pgであった。一方、p16遺伝子導入1〜5日後の肺癌細胞では98〜344pg/μgとp16の過剰発現細胞と比較してもより高レベルの発現がみられた。p16INK4A蛋白の定量はp16遺伝子治療の効果発現の予測に有用であると考えられた。