ABSTRACT 1453(P5-10)
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頭頸部扁平上皮癌例における p16遺伝子の基礎的検討:馬場優1、佃守1、古川滋1、加賀田博子1、加藤靖正2、長嶋洋治31横浜市大・医・耳、2神奈川歯大・生化、3横浜市大・医・病理)

Alteration of the p16 gene in the head and neck carcinomas : Yuh BABA, Mamoru TSUKUDA, Shigeru FURUKAWA, Hiroko KAGATA, Yasumasa KATO1, Yoji NAGASHIMA2 (Depts of Otolaryngol, and 2Pathol. Yokohama City Univ. Sch. Med., 1Dept of Biochem., Kanagawa Dent. Coll.)

p16INK4aはCDK4と結合し、CDK4の持つkinase活性を阻害する遺伝子として単離されたCDK inhibitorである。染色体9p21の領域でのposi-tional cloningでヒト癌細胞株で高頻度に異常を起こしている遺伝子が単離され、その遺伝子はp16と同一の遺伝子であった。ヒト癌細胞株や生検材料で高頻度に異常が検出され、また原発巣に比べて転移巣で遺伝子異常の頻度が高い報告や、CpGリッチの領域のメチル化によりp16遺伝子が不活化されているとの報告が行われ、p16遺伝子は癌抑制遺伝子として注目されている。ヒト頭頸部扁平上皮癌細胞株において、 44%にhomozygous deletionを、11%にmutationを、さらに11%にCpGリッチの領域のメチル化を疑わせる所見を認めた。さらに、頭頸部癌生検材料を用いて、p16蛋白発現の有無を検討した。またcyclin D1, pRb, p53蛋白の有無なども併せて報告する。