ABSTRACT 1459(P5-10)
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小児悪性固形腫瘍におけるp16/INK4Aおよびp19/ARF発現の解析:尾花和子1、2、楊 宏偉1、2、橋都浩平2、朴 慧英1、滝 智彦1、林 泰秀11東大・医・小児、2小児外)

Absent or reduced expression of p16/INK4A and p19/ARF genes in pediatric solid tumors : Kazuko OBANA1.2, Hong Wei YANG1.2, Kohei HASHIZUME2, Hui Ying PIAO1, Tomohiko TAKI1, Yasuhide HAYASHI1 (1Dept. of. Pediatr. and 2 Pediatr. Surg., Faculty of Med., Univ. of Tokyo)

【目的】 p16INK4A (p16)は種々の癌での不活性化が報告されており、癌抑制遺伝子の一種と考えられている。 p19ARF (p19)はp16遺伝子座からalternative splicingにより転写・翻訳されるもう一つの遺伝子で、異なる経路での癌抑制機構が考えられている。今回われわれは小児悪性固形腫瘍におけるp16とp19の発現について検討した。【対象と方法】神経芽細胞腫(NB)細胞株17株と新鮮腫瘍31例、Ewing肉腫(ES) 細胞株9株、横紋筋肉腫(RMS) 細胞株7株を用いてRT-PCR法によりp16とp19の転写産物の発現を検索した。【結果とまとめ】 NBの細胞株17 株中2株(12%)にp19発現の減弱およびp16発現消失あるいは減弱を認めた。新鮮腫瘍31例では、5例(16%)に発現の異常を認めたが、うちp16とp19がともに発現が消失していたもの2例、 p19のみ消失は2例、 p16のみ消失は1例であった。 また、 ESでは9株例中4株(44%)に発現の異常がみられ、 p16とp19ともに発現消失または減弱は3株、 p19のみ減弱は1株であった。 RMSでは異常は7株中4株(57%)あり、 p16と p19ともに発現が消失していたもの3例、 p19のみ減弱は1例であった。これらの結果と臨床像との関連についても検討して報告する。