ABSTRACT 1460(P5-10)
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白血病細胞株におけるp16INK4aとp19ARF遺伝子の解析:朴 慧英1, 楊 宏偉1,2, 滝 智彦1, 大西宏明1, 別所文雄1, 林 泰秀1(東大・医・小児・小児外)

Analysis of p16INK4a and p19ARF genes in leukemia cell lines:Hui Ying PIAO1, Hong Wei YANG1,2, Tomohiko TAKI1, Hiroaki OHNISHI1, Fumio BESSHO1, Yasuhide HAYASHI1 (1Dept. Pediatr., 2Pediatr. Surg, Faculty Med., Univ. Tokyo)

【目的】p16INK4a (p16)遺伝子は種々の癌で不活化がみられ、癌抑制遺伝子と考えられている。最近、p16遺伝子座から alternative splicing によりもう1つの増殖抑制因子 p19ARF(p19)が発現することが報告されている。今回、我々は白血病細胞株においてp16とp19遺伝子を検討した。【対象と方法】白血病細胞株65株、うち急性リンパ性白血病(ALL)43株(T-ALL15株、c-ALL17株、B-ALL11株)、 急性骨髄性白血病(AML)17株、慢性骨髄性白血病(CML)5株でp16とp19遺伝子の発現をRT-PCR 法で検索し、さらにサザン解析によりDNAレベルでの異常を検索した。【結果】p16転写産物はT-ALL15株中13株、c-ALL17株中15株、B-ALL11株中8株、AML17株中8株、CML5株中2株で認められなかった。p19転写産物はT-ALL15株中12株、c-ALL17株中10株、B-ALL11株中1株、AML17株中4株、CML 5株中2株で認められなかった。p16転写産物を認めなかった46株中19株でp19転写産物を認めたが、p19転写産物を認めなかった29株中p16転写産物を認めたのは2株のみだった。サザン解析では、T-ALL6株中p16とp19遺伝子の両方のhomozygous deletion (HD)が2株にみられ、両方の再構成も1株にみられた。c-ALL5株中p16遺伝子のHDが3株にみられ、このうちp19遺伝子のHDが2株にみられた。【考案】白血病細胞株におけるp16遺伝子の不活化は高頻度にみられたが、p19遺伝子の不活化もp16遺伝子の発現の有無にかかわらず比較的高頻度にみられた。p16とp19遺伝子は白血病への関与が示唆された。