ABSTRACT 1463(P5-10)
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マウス肝癌および正常肝、肝癌由来細胞株におけるp16INK4a プロモーター領域のメチル化の検討:吉田行範,安田淳美,小川勝洋(旭川医大・第一病理)

Analysis of p16INK4a promoter methylation in mouse hepatocellular carcinomas (HCC) and cell lines derived from HCC or normal liver: Yukinori YOSHIDA,Atsumi YASUDA,Katsuhiro OGAWA (Dept. Pathol. Asahikawa Medical College)

【目的】 p16INK4a はCDK4/6 inhibitorで、Rbの燐酸化の阻害を介してcell cycle を制御する。 p16INK4a の不活性化はさまざまの癌で見られるが、そのメカニズムの一つとしてプロモーター領域の高メチル化が知られている。我々はマウス肝癌および正常肝、肝癌由来細胞株についてmethylation specific PCR (MS-PCR)によりp16INK4a プロモーター領域のメチル化を検討した。
【方法】化学発癌物質誘発マウス肝癌10例、正常肝細胞由来肝上皮細胞株8クローン、肝癌細胞株6クローンを用いた。これらから抽出したDNAをNa-bisulfite処理、非処理後MS-PCRを行った。
【結果】 p16INK4a プロモーター領域のメチル化は肝癌組織で全例で検出できなかった。一方、細胞株では肝癌細胞株のみでなく、正常肝由来の肝上皮細胞株でも高頻度に検出された。
【結論】 p16INK4a プロモーター領域のメチル化はマウス肝細胞では癌化よりも不死化に関与しているものと思われる。これらの材料について p16INK4a mRNAの発現を検討中である。