ABSTRACT 1489(P5-13)
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ヒト癌におけるヒトmutMホモログ(hMMH/OGG1)遺伝子の解析:石田俊光1,筆宝義隆1,深山正久3,浜田知久馬6,藤井丈士3,森山佐知子4,森田啓行1,大西真1,矢崎義雄1,児玉龍彦2,西村暹5,油谷浩幸(東大・医・三内1,東大・先端研2,自治医大・病理3,都立駒込病・病理4,萬有製薬・つくば研5,東大・医・薬剤疫学6

The hMMH/OGG1 gene polymorphisms in cancer : Toshimitsu ISHIDA1, Yoshitaka HIPPOU1, Masahisa FUKAYAMA3, Chikuma HAMADA6, Takeshi FUJII3, Sachiko MORIYAMA4, Hiroyuki MORITA1, Shin OHNISHI1, Yoshio YAZAKI1, Tatsuhiko KODAMA2, Susumu NISHIMURA5, Hiroyuki ABURATANI1, (Third Dept Int Med1, RCAST2, Dept Pharm.Epi.6, Univ. Tokyo, Dept Patho. Jichi Med Sch.3, Tokyo Metro. Komagome Hosp. Patho.4, Banyu Tsukuba Res. Inst.5)

8-ヒドロキシグアニン(8-OH-G)は活性酸素による主要なDNA損傷であり,G→Tの塩基置換をひきおこし,発癌にも大きく関与すると考えられている.ヒトにおける8-OH-Gの除去修復酵素であるhMMH(human mutM homologue)遺伝子は、7つのエクソンよりなり、遺伝子産物として4つのisoformを生じる.癌細胞における変異を調べるため,癌細胞株51例,肺癌40例,胃癌25例,肝細胞癌40例,腎癌32例にて,全エクソンをSSCP法、あるいは直接シークエンス法にて解析した.一部の癌細胞株に関してはcDNA全長の塩基配列を決定した.その結果スプライシング異常およびアミノ酸置換をきたす変異を1例ずつ認めた.一方第1および第7エクソン、第4および第5イントロンに塩基配列多型が認められた。第1エクソンの塩基配列多型に関して、発癌リスクへの関与をケース・コントロール研究によって検討した.肺癌患者128例を,非癌患者268例を対照として,ロジスティック解析にて肺癌に対するリスクを評価した結果、肺腺癌に関して,オッズ比が3.15倍 (95%CI 1.27-7.85)と有意差が得られた。8-OH-G除去修復が肺腺癌発生のリスクとなりえる可能性が示唆され、他の多型についても同様に解析を進めている。