ABSTRACT 1493(P5-13)
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DNA二重鎖切断修復関連蛋白Ku70とKu80の相互作用領域及び転写活性化領域の解析:小池 学, 塩見忠博(放医研・ゲノム)

Protein-protein interaction and transcriptional activation regions within the Ku protein: Manabu KOIKE, Tadahiro SHIOMI (Genome Reserch Group, Natlional Institute of Radiological Sciences)

Kuは、ヒトの強皮症・多発性筋炎重複症候群における自己抗原として発見された蛋白質で、Ku70とKu80のヘテロダイマーからなる。これらの蛋白質の片方の欠損がもう一方の発現を低下させること、DNAへの結合能が喪失されること、またDNA二重鎖切断修復能を失わせることから、この相互作用はKuの機能において重要であると考えられる。一方、これら遺伝子を欠損するマウスが矮小体躯症であることから、細胞の増殖制御にも関与する可能性が示唆されている。しかし、その作用機序に関しては良くわかっていない。これまで、本大会で、Ku70及びKu80は脳、心臓、肺など調べたすべてのマウス及びヒトの細胞株及び組織で発現していること、そして細胞内では細胞分裂間期に主に核内に局在すること、さらに、両遺伝子はFISH法によりマウス、ラット及びヒト染色体で保存されている領域に局在すること等を報告してきた(Genomics,1996)。今回、Kuが特異的なDNA結合能を有することから、転写の調節に関与する可能性について検討を行った。さらにヒト細胞内での相互作用、及び酵母の遺伝学的方法を用いて相互作用領域の解析を行った。