ABSTRACT 1535(P5-16)
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ヒト腎細胞癌におけるMN/CA9遺伝子の低メチル化と遺伝子発現:趙順規1,2,北堀吉映1,小西登1,仲川嘉紀2,植村天受2,大西武雄3,吉川和宏4,平尾佳彦2,日浅義雄1(奈良医大・1二病,2泌,3生物,4愛知医大・二病)

Hypomethylation and expression of the MN/CA9 gene in human renal cell carcinoma: Masaki CHO1,2, Yoshiteru KITAHORI1, Noboru KONISHI1, Yoshinori NAKAGAWA2, Hirotsugu UEMURA2, Takeo OHNISHI3, Kazuhiro YOSHIKAWA4, Yoshihiko HIRAO2, Yoshio HIASA1 (1Second Dept. of Pathol., 2Dept. of Urol., 3Dept. Biol., Nara Med. Univ., 4Second Dept. of Pathol., Aichi Med. Univ.)

[目的]MN/CA9 geneは、正常消化器系上皮に特異的に発現しており、その機能は十分に解明されていない。この遺伝子はヒト腎細胞癌において高率に発現がみられ、マーカーとしての有用性が示唆されている。われわれは、MN/CA9 geneが組織特異的遺伝子であることに着目し、腎細胞癌におけるMN/CA9 geneの発現とDNAのメチル化の関係について調べた。[方法]ヒト腎細胞癌培養細胞 (SKRC-01, 10, 12, 14, 44)と正常腎組織 (2検体)よりgenomic DNAならびにtotal RNAを抽出した。genomic DNAに対しBisulfite modification PCRを用いてMN/CA9 geneの上流領域とCpG island内のSP1結合配列を3つ含むintron 3領域を増幅した。得られたPCR産物をsequencingし、上流領域で7部位、intron 3領域で9部位のCpGのメチル化を判定した。また、total RNAに対するRT-PCRにより、MN/CA9 geneのmRNAの発現を調べた。[結果]MN/CA9 geneのmRNAの発現はSKRC-01, 10, 44でみられた。上流領域のCpGのメチル化とmRNAの発現に明らかな逆相関がみられた。[結語]ヒト腎細胞癌におけるMN/CA9 geneの形質発現を上流領域の低メチル化が大きく促進している可能性がある。