ABSTRACT 1536(P5-16)
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骨軟部腫瘍におけるP15,P16遺伝子変異とメチル化, P53遺伝子変異:土屋登嗣1、日野原眞一1、登 勉2、金子安比古11埼玉がんセ・病,2三重大医)

Mutation and methylation of the P15 and P16 genes and mutation of the P53 gene in bone and soft tissue tumors: Takashi TSUCHIYA1, Shin-ichi HINOHARA1, Tsutomu NOBORI2, Yasuhiko KANEKO1 (1Saitama Cancer Ctr Hosp, 2Mie Univ)

[目的]癌抑制遺伝子P15,P16不活化の原因として、欠失や点変異の他に、5´-CpG islandのメチル化が注目されている。 P16,P15のメチル化は白血病などでは高頻度に報告されているが、骨軟部腫瘍における頻度は不明であるので検討した。[対象および方法]対象は、骨軟部腫瘍48例である。P15,P16,P53の欠失はサザン法、点変異はPCR-SSCP法と直接塩基配列決定法により検出した。メチル化は腫瘍DNAをメチル化部位認識制限酵素で消化後、P16,P15 genomic DNAをプローブとしてサザン分析を実施し検討した。[結果および考察]P15,P16ホモ欠失は骨肉腫2/12例, Ewing肉腫2/21、その他の腫瘍1/14, P16点変異はEwing肉腫1例にみられた。P15メチル化はEwing肉腫1例とその他の腫瘍1例に, P16メチル化はその他の腫瘍1例にのみみられた。 P53ホモ欠失は骨肉腫1例に、ヘミ欠失を伴う点変異は骨肉腫とEwing肉腫それぞれ1例にみられた。 P15,P16,P53遺伝子に何らかの異常がみられたのは、47中9例(18%)であり,骨軟部腫瘍においても、これらの遺伝子異常は腫瘍化や悪性化に関与していると考えられる。