ABSTRACT 1538(P5-16)
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ヒト前立腺癌および細胞株におけるメチル化の解析:小西 登1,北堀吉映1,山本漢九1,趙順規1,中村光利2,乾多九夫1,日浅義雄1(奈良医大・12病理, 2脳外)

Methylaton analysis of human prostate carcinomas and cell lines:Noboru KONISHI1, Yoshiteru KITAHORI1, Kunichika YAMMOTO1, Masaki CHO1, Mitsutoshi NAKAMURA2, Takuo INUI1,Yoshio HIASA1 (12nd Dept. Pathol., 2Dept. Neurosurg., Nara Med. Univ.)

[目的]我々はヒト前立腺癌における遺伝子異常を解析するため、RLGS法を用いたDNA異常の検出を試みてきた。現在まで得られた前立腺癌に特異的なスポットのクローニングを行い、得られたクローンを用いて解析するとともに、細胞株を5-azacytidine処理することで脱メチル化を行い、ヒト前立腺癌で得られた知見と比較検討した。[方法]ヒト前立腺癌は16例を用いた。培養細胞は3株(LNCaP, DU145, PC3)で、5-azacytidine処理は1, 3, 10μM濃度で5世代培養した後各世代の細胞からDNAを抽出した。制限酵素はメチル化感受性酵素であるNot Iで切断後、2次元電気泳動を行い画像解析により増強ないし減弱、消失する異常スポットを検出した。[結果]前立腺癌から共通に増強するスポットのうち3個のクローニングを試みたが、そのうち2個のクローンを得た。Southern blot法によりこれらのスポットは脱メチル化により増強したスポットと判明した。また5-azacytidine処理による細胞株のスポット変異は前立腺癌において減少するスポット部位と一致するものがあり、メチル化も生じていることがわかった。[結語]ヒト前立腺癌は共通のゲノム変化があり、このうちのいくつかがメチル化および脱メチル化をうけており前立腺癌の発生、進展にこれらの修飾が関与していると考えられた。