ABSTRACT 1541(P5-17)
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神経芽腫における1番染色体短腕遠位領域1p34-pterのLOH解析: 影山 肇1, 二村好憲1, アシュラフル・イスラム1, 齋藤 総一郎2, 飯島 崇利1, 中村 洋子1, 廣瀬 正義3, 金子安比古4, 崎山 樹1, 中川原 章1 (1千葉がんセ・研・生化,3臨実, 2筑波大・医・基礎, 4埼玉がんセ・病・化療)

LOH analysis of the region of chromosome 1p34-pter in neuroblastoma: Hajime Kageyama1, Yoshinori Nimura1, Ashraful Islam1, Soichiro Saito2, Takatoshi Iijima1, Yohko Nakamura1, Masayoshi Hirose3, Yasuhiko Kaneko4, Shigeru Sakiyama1, Akira Nakagawara1 (1Div. Biochem. and 2Clin. Lab.Chiba Cancer Center Res. Inst., 3Inst. Basic Med. Sci., Univ. Tsukuba, 4Dept. Cancer Chemotherapy, Saitama Cancer Center)

1番染色体短腕遠位領域は、LOHが神経芽腫をはじめとする多くのがんで報告されている。今回我々は、神経芽腫における1番染色体短腕遠位領域の欠失領域をさらに狭める為に、203症例について1p34-pterの範囲で17の多型マーカーを用いてLOH解析を行なった。その結果を以下に示す。(1) 3+4期の症例で84例中45例 (54%)がLOH陽性、1+2期の症例でも91例中31例 (34%)がLOH陽性であった。4s 期の症例は、予後の観点からは1+2期に近いが、LOHの頻度は17例中10例 (59%)でむしろ3+4期と同程度であった。(2) aneuploidyの1歳未満が46%, 1歳以上が50%であったのに対し、diploidy/tetraploidy では、各々39%と54%であり予後不良とされる1歳以上で高いLOH頻度を示した。 (3) マーカー毎の欠失頻度は、TNFR2が42%で最も高く、D1S2843が37%, D1S450が32%、D1S160が27%であった。(4) 欠失地図の検討から、LOH陽性89例中60例がinterstitialであった。そのうち複数箇所の欠失部位をもつものが17例あり、この領域の不安定性を示していた。(5) 共通欠失領域としては, これまで報告のあるD1S214-D1S244 の領域の他に複数の集積部位を認めた。