ABSTRACT 1544(P5-17)
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口腔癌における第7番染色体長腕の欠失状況:王 暁里、中西寛、今井Fabiana 梨花、横江秀隆、丹沢秀樹(千葉大・医・歯口外)

Loss of heterozygosity on the long arm of chromosome 7 in oral carcinomas: XiaoLi WANG, Hiroshi NAKANISHI, Fabiana Lica IMAI, YOKOE Hidetaka, Hideki TANZAWA(Dept. of Oral Surg, Sch. of Med. Chiba Univ.)

【目的】第7番染色体におけるLOH(loss of heterozygosity) の存在が頭頚部腫瘍で認められたが、口腔癌においての報告は少ない。本研究では、口腔癌の第7番染色体長腕上での欠失状況を詳細に検索することを目的とした.
【方法】検索対象は千葉大学医学部歯科口腔外科を受診した口腔扁平上皮癌患者35名とした。腫瘍組織および同一患者からの正常組織より抽出したDNAを用いて、PCR
にてLOHの有無を検索し、欠失地図の作製を行った。さ
らに、組織学的分化度との関連を調査した。
【結果】Informativeであった34例中、19例 (55.9%) で少なくとも1カ所以上にLOHが認められた。さらに第7番染色体長腕の欠失地図を作製したところ、D7S522領域LOHの頻度は最も高く、この領域が共通欠失領域であることが明らかとなった。 
【考察】これまで第7番染色体での欠失地図は、多くの悪性腫瘍において作製されているが、口腔領域ではその報告がなかった。本研究によって、口腔扁平上皮癌の第7番染色体長腕においてもLOH頻度が高く、また長腕上のD4S522に共通欠失領域が存在し、口腔癌の発生に関与すると思われる未知癌抑制遺伝子がこの領域に存在している可能性が示唆さた。