ABSTRACT 1551(P5-17)
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ヒト肺がんにおける第18染色体長腕欠失領域の解析 :
武居公子1,2、河野隆志1、浜田邦弘1、滝田順子1、横田淳1 (1国立がんセ・研・生物、2琉球大・医・皮膚)

Analysis on Chromosome 18q Deletions in Human Lung Cancer : Kimiko TAKEI1,2, Takashi KOHNO1, Kunihiro HAMADA1, Junko TAKITA1 and Jun YOKOTA1 (1Biol. Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., 2 Dept. Derm., Sch. Med., Univ. Ryukyus)

進行肺がんでは、第18染色体長腕(18q)のLOH(loss of heterozygosity)が高頻度に認められることから、18qには肺がんの悪性化に関わるがん抑制遺伝子の存在が示唆されている。我々は、肺がんの臨床検体62例、細胞株54例を対象に、11個の18q上のマイクロサテライトマーカーを用いて18qの欠失領域の検討を行なった。その結果、18qの欠失は肺非小細胞がんの約60%、小細胞がんの約30%に認められた。そのうちの16例では18qが部分的に欠失しており、また2例では18q21領域にホモ欠失が検出された。これらの結果から共通欠失領域は18q21に1カ所同定され、そのサイズは1Mb以下と推定された。この領域には18q上の候補がん抑制遺伝子であるSmad2、Smad4、DCCは含まれていなかったので、今回決定された領域には未知のがん抑制遺伝子が存在することが示唆された。現在この領域をカバーするBACコンティグを作成し、領域内の遺伝子の単離を試みている。