ABSTRACT 1552(P5-17)
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Gastrointestinal stromal tumor における遺伝子異常の解析: 深沢智基1、鄭子文1、輿石直樹1、桜井信司1、林幸子2、小池盛雄2、深山正久11自治医大・病理、2都駒病・病理)

Genetic alterations in gastrointestinl stromal tumor : Tomoki FUKASAWA1, Ja-Mun CHONG1, Naoki KOSHIISHI1, Shinji SAKURAI1, Yukiko HAYASHI2, Morio KOIKE2, Masashi FUKAYAMA1 (1 Dept. of Path., Jichi Med.Sch., 2 Dept. of Path., Tokyo Metrop. Komagome Hosp.)

(目的)Gastrointestinal stromal tumor (GIST) の、発生、進展における遺伝子異常の検索。(対象・方法)対象は、GIST 22例(原発19例、転移3例)。原発例は腫瘍径、mitotic rate 、MIB-1 labeling indexを用い、low risk群9例、high risk群10例に分類。凍結検体からDNAを抽出し、28領域のmicrosatellite markerを用いて、loss of heterozygosity (LOH) とreplication error (RER)の出現領域、出現頻度について、low risk群、 high risk群・転移群で比較検討した。(結果)LOHの出現領域では、chromosome 1pの領域が 37%(7/19) と高頻度であったが、他領域では20%以下であった。chromosome 1pでのLOHの出現頻度を比較すると、low risk 群で29% (2/7)、high risk 群・転移群で42% (5/12) と、出現頻度に有意差は認められなかった。一方、RERの出現頻度は、low risk群では1領域 2例、22% (2/9) であったのに比し、high risk群・転移群では、1領域 4例、2領域 4例、多領域 1例、計 9例 69% (9/13) と高頻度であった。(考察)LOHが1pに高頻度に認められ、この領域にGISTの発生に関与する癌抑制遺伝子が, 存在している可能性がある。また、RERの出現は悪性度と相関していた。