ABSTRACT 1553(P5-17)
甲状腺未分化癌における遺伝子異常の検討:門田雅生1、玉木康博1、先田功1、冨田尚裕1、関本貢嗣1、大植雅之1、菰池佳史2、宮崎道彦1、増田慎三1、小林哲郎3、門田守人1(1阪大・医・二外、2大阪成人セ・外、3国立大阪病・外)
Genomic imbalances in anaplastic thyroid cancer : Masao KADOTA1, Yasuhiro TAMAKI1, Isao SAKITA1, Naohiro TOMITA1, Mitsugu SEKIMOTO1, Masayuki OHUE1, Yoshifumi KOMOIKE1, Michihiko MIYAZAKI1, Norikazu MASUDA1, Tetsuro KOBAYASHI2, Morito MONDEN1 (1Dept. of Surg. II, Osaka Univ., 2Dept. of Surg., Osaka Natl. Hosp.)
(目的)極めて増殖が早く予後不良な甲状腺未分化癌は、一般に予後の良好な高分化癌から発生するものと考えられているが、その未分化転化機構は解明されていない。我々はComparative Genomic Hybridization (CGH)法により甲状腺未分化癌細胞株における16p、18qの欠失を高率に認め報告した。今回、microsatellite markerを用いて同部位におけるloss of heterozygosity (LOH)の検討を行なったので報告する。(方法)甲状腺未分化癌手術症例10例、甲状腺乳頭癌手術症例10例を対象とした。16p上のD16S403、D16S405、D16S423、および18q上のD18S58、D18S61、のmicrosatellite markerを用いて、PCR法によりLOHを検討した。(結果)未分化癌症例においてD16S405で7例中3例にD16S423で4例中3例にLOHを認めたが、18q上のmarkerではLOHを認めなかった。また乳頭癌症例においては、16p、18qのいずれにおいてもLOHを認めなかった。(結論)甲状腺癌の未分化転化に関与する遺伝子が16pに存在する可能性が示唆された。