ABSTRACT 1565(P5-18)
ノックアウトマウスを用いたメタロチオネインの癌転移促進作用に関する研究: 鬼頭英明1,永瀬久光1,船坂龍善1,佐藤雅彦2,遠山千春2(1岐阜薬大,2国立環境研)
Enhancement effect of metallothionein on tumor metastasis in MT knockout mice: Hideaki KITO1, Hisamitsu NAGASE1,Tatsuyoshi FUNASAKA1, Masahiko SATOH2,Chiharu TOHYAMA2 (1Gifu Pharm.Univ., 2National Institute of Environ. Studies)
【目的】メタロチオネイン(MT)による癌細胞の浸潤・転移促進作用についてはすでに羽賀らが、MTのゼラチナーゼに対する活性増強作用によることを報告した。今回、MTノックアウトマウスを用いることにより、癌細胞の浸潤転移に及ぼす影響について検討を行った。【方法】実験動物として、Chooらにより作成されたC57BL/6J系MT(-/-)および(+/+)マウスを用いた。実験的肺転移モデルとしてマウスメラノーマ細胞B16-BL6を尾静脈より投与し、2週間後の肺への転移結節を計数した。さらに、金属投与によるMT誘導が癌細胞転移に対して及ぼす影響を検討するため、癌細胞移植に対し、塩化カドミウム,硫酸亜鉛,次硝酸ビスマスを前投与、同時投与および後投与した。【結果及び考察】金属未処理群において雌雄ともにMT(+/+)における肺転移結節の数は増加した。また、金属処理群においては前投与、同時投与いずれもMT(+/+)において結節数が増加した。肺におけるMT量は、MT(+/+)において高くMT(-/-)においてはMTの誘導はみられなかった。