ABSTRACT 1567(P5-18)
NF-κB1 C末端アンキリン領域(IκBγ)欠損マウスにみられた臓器炎症反応及び日和見感染:石川秀明1, Estefania Claudio2, Maged S. Mahmoud1, 藤井龍一1, 河野道生1, Rodrigo Bravo2(1山口大・医・寄生体, 2Dept. of Oncology, Bristol-Myers Squibb Pharmaceutical Research Institute, USA)
Chronic inflammation and susceptibility to bacterial infections in mice lacking the p105 precursor (NF-κB1) but expressing p50 : Hideaki ISHIKAWA1, Estefania CLAUDIO2, Maged S. MAHMOUD1, Ryuichi FUJII1, Michio M. KAWANO1, Rodrigo BRAVO2 (1Dept. of Parasitol. and Immunol. Yamaguchi Univ. Sch. Med., 2Dept. of Oncol. Bristol-Myers Squibb Pharm. Res. Inst., USA)
NF-κB1はp105前駆体として産生され、C末端が取り除かれてp50分子となる。p50は転写因子NF-κBの構成要員となるが、一方p105前駆体、及びそのC末端IκBγ蛋白質はNF-κB活性を抑制するIκB分子として働くことが示唆されている。in vivoにおけるp105前駆体、及びIκBγの役割を調べるため、遺伝子相同組み換えによりNF-κB1のC末端を削除した、つまりp105前駆体、及びIκBγは欠失しているがp50分子は存在する変異p105ノックアウト(p105-/-)マウスを作製した。p105-/-マウスは3週齢までほぼ正常に発育するが、6週齢時、肺及び肝臓にリンパ球浸潤を主体とした炎症性反応がみられ、加齢とともにこの異常は増強した。また、p105-/-マウスは6週齢以降、日和見感染症を高率に合併し、50%が生後100日以内に死亡した。未刺激p105-/-細胞ではNF-κB p50二量体活性の恒常的増強が認められ、NF-κBによって発現が調節され得る遺伝子の発現亢進が認められた。in vitroにおける刺激後のp105-/-T細胞及びマクロファージからの種々のサイトカイン産生は減少していたが、B細胞増殖反応は亢進していた。以上の結果は、p105前駆体、又はIκBγがNF-κB p50二量体活性の調節に重要であることを示唆する。